再現性#

再現性のある顕微鏡実験を設計するためには、いくつかの重要な要素があります。ここではその中でも特に重要な点をいくつか示します。詳しくは、9 などを参照してください。

抗体の特異性を確認する#

理想的には、抗体は特定の標的分子に対して常に高い特異性を示すはずですが、免疫標識 immunolabeling 10 を行う際にそれを当然の前提とすることはできません。可能であれば、ノックアウトやノックダウンの対照実験を行い、抗体の特異性を確認するべきです。それが難しい場合には、標的分子の別の部位(エピトープ)を認識する別の抗体が利用可能かどうかを確認し、同様の局在パターンが得られることを確かめます。

使用する抗体やプロトコールに合わせてブロッキング blockingや透過化 permeabilization の条件を最適化することで、非特異的なバックグラウンドシグナルを低減できます。さらに、一次抗体を使用しないコントロールも必ず実施してください。これは、観察されたシグナルが特異的であることを検証するために不可欠です。

蛍光タンパク質の局在を確認する#

蛍光タンパク質タグを発現させることで、分子や細胞構造の局在を可視化できます。特に、免疫標識に適した抗体が存在しない場合や、生きた細胞内で分子の挙動を観察したい場合に有用です。蛍光タンパク質と抗体による標識で同一の分子標的の局在を比較した研究では、約80%の一致が報告されています。しかし同時に、いくつかの要因(例えば、タンパク質のC末端とN末端のどちらにタグを付加するか)によって局在が変化する可能性があることも示されています11。さらに最近の論文12では、生体観察を行う際の分子の遺伝的タグ付けの注意点がまとめられています。

漏れ込み / ブリードスルー bleedthrough#

多色蛍光顕微鏡観察を行う際には、励起スペクトルおよび発光スペクトルが十分に分離した蛍光色素を選択することが重要です。FPbase 13のようなオンラインツールは、特に使用する顕微鏡の光学系(光源、フィルター、検出器など)の構成を把握している場合に、適切な蛍光色素の選択に役立ちます。これらの光学構成はFPbase上で保存・共有することも可能ですので、使用予定の顕微鏡について既に設定ファイルが公開されているかどうかを、管理担当者に確認するとよいでしょう。蛍光色素のスペクトルが十分に分離していると考えられる場合でも、隣接する波長のシグナルが混入するブリードスルーが生じていないことを確認するために、多色対照と同じ撮像条件(できれば同じ日に実施)で単色蛍光対照を必ず確認してください。特に、共局在を定量的に評価する予定がある場合には、この確認は必須です。